Reincarnation Monarch

Chapter one thousand eight hundred and ninety-five: Critical issues

「……ふむ、大いなる存在か……なるほどな」

ドーブが実に重々しい感じで言った。

だがその言葉尻を、ガイウスが鋭く感じ取って反応した。

「ちょい待ち。今、なるほどなって言ったよね?ということは、もしかして……」

するとドーブが重々しくうなずいた。

「……うむ。実のところ、俺もそう感じる時があるのだ」

するとガイウスの眉が、ぐいっと大きく跳ね上がった。

「それは本当か⁈」

ドーブは再び重々しくうなずいた。

「……ああ、本当だ。だが俺も、お前同様に何か根拠があるわけではないのだがな」

ガイウスは真剣な表情でもって何度も小刻みにうなずいた。

「そうか。ドーブも感じていたのか……それは、デルキアに対して感じたっていうことだよな?」

するとこの問いには、ドーブが困ったような表情となった。

だがガイウスはすぐにそれを察知した。

「ああ、そうか。デルキアに対する忠誠心から、それに関しては言いづらいってわけだ。だけどさ、もうそんな表情しちゃったら、言っているようなもんだぜ?だからさあ、諦めて白状しちゃいなよ」

するとドーブが観念した表情となった。

「……そうだ。デルキア様の言葉の端々から、感じ取ったものだ」

「やっぱりねえ〜それしかないわな」

ガイウスは大いにうなずくと、いきなり勢いよく立ち上がった。

「よし!デルキアに聞きに行ってくる!」

するとドーブは、ガイウスが波立たせたお湯が顔に被りそうになるのをなんとか避けつつ、珍しく大慌てでもって言ったのであった。

「何だと⁈待て!ガイウス!」

だがそれで止まるガイウスではなかった。

「待たない!善は急げって言うだろ?でもまあドーブはそのまま湯船に浸かってていいよ。ドーブから聞いた話は絶対にしないからさ」

ガイウスはそう言いつつ、お湯をかき分けながら力強く進み、湯船の反対側からさっさと上がってしまったのだった。

そのためドーブは慌てて追いかけ、同じようなところから浴槽を出たところで、ガイウスの左腕をむんずと掴んで引き止めたのだった。

「待てと言っているだろう」

ガイウスは仕方なく振り向くと、ドーブに対してはっきりと宣告したのだった。

「だから待たないと言っているだろう?これは多分重大な問題だ。だからここは、決して避けては通れないよ」