The Failed Swordsman Who Became the Strongest After Spamming the 100 Million Years Button

Cherrin and the Seven Sacred Swords [One hundred seventy]

「……裏切りの七聖剣フォン=マスタングね?」

 会長がそう確認を取れば、細身の男はピクリと反応を示した。

「その顔、何度か見覚えがあるな……。確かロディスの娘、名はシィ=アークストリアだったか。なるほど、えらく情報が速いと思ったら、父から話を聞いたというわけか」

 フォン=マスタング。

 背まで伸びた、まっさらな黄金(こがね)色の髪。年齢は二十代半ば、身長は百七十センチほどだろう。どこか冷たい印象を抱かせる、端整な顔立ち。剣士にしてはやや細身な体。聖騎士の黒い隊服の上から、純白の外套(がいとう)を纏(まと)っている。

(この人がフォン=マスタングか……)

 昨夜遅く、会長が話していた裏切り者だ。

「ちょ、ちょっと会長……!? 『裏切りの七聖剣』って、どういうことですか!?」

「七聖剣が裏切ったなんて、初耳だぞ!?」

 事情を知らないリアとローズは驚きの声をあげ、

「い、いやいやいや……今から七聖剣とやり合うの? マジ?」

「な、なんかお腹痛くなってきたんですけど……」

 リリム先輩とフェリス先輩は既に腰が引けていた。