さて、あれから4ヶ月が経ち、2学期が始まった。

俺が生徒会員になってから貴族が平民をいじめることはほとんど無くなった。

二学期になって始まるもの...

ランキング戦だ。

「さて、これからランキング戦の説明をする。よく聞いておけ。ランキング戦とは、簡単に言うと学校中の生徒の戦力順位を決める戦いだ。戦闘形式は1vs1か3vs3か5vs5で魔法を使うもよし、体術も剣もなんでも良しだ。初期のランキングは学院が個人個人の成績から順位をつけた。もちろん勝てば順位は上がるし負けると順位は下がる。ちなみにずっと戦ってないと順位は下がるぞ。それと1vs1の場合同学年以上の人に戦闘を申し込めば必ず戦える(不戦勝あり)が、下級生に戦闘を申し込む場合は相手が了承しないと戦えない。3vs3や5vs5の場合も必ず相手が了承しないと戦えない。ランキング戦はある魔道具が受けるダメージをある程度肩代わりしてくれる。これが壊されれば負けだ。毎日掲示板に申し込まれた人の名前が表示されるから表示された人は職員室まで来てくれ。これでランキング戦の説明を終わる。」

そうかぁ、ってことは俺は同学年の奴に戦えって言われたら戦わなきゃいけないんだな。

「そして、今から配る紙にそれぞれの初期順位が書いてある。確認しておけ。」

「俺953位だぜ!」

「私1010位だった」

「僕835位だ。」

ん、俺の順位は...

1256人中143位

ん?

143位?

え、高すぎませんか笑笑

「ユリとテレスはどうだった?」

「私453位だったけどランキング戦はいいかな。」

「私も。512位だったけどランキング戦は大変そうだし怖いからやりたくないな。」

「そっか。やりたくないならやらない方がいいよ。」

「そうだね!」

「ちなみにヴェル君は何位だったの?」

「俺は143位だって。一応申し込まれたやつはやろうと思ってる。」

「へ〜!がんばってね!」

「がんばれ!」

「ありがと。」

ーーー放課後ーーー

案の定掲示板に俺の名前がある。

職員室行くか。

コンコン

「失礼します」

ガチャッ

「1年生のヴェルヘイムです。」

そこには担当だろうか?屈強そうな男の教師?が座っていた。

「ヴェルヘイム君か。君、今日の昼の時点で50以上のランキング戦申し込みが来てるんだが。」

「は?」

「1年生10人、2年生4人、3年生46人。君の順位を気に入らない3年生達だろう。どうだ?受けるか?」

「それは詳細を聞いてからじゃないと。まず、申し込んできた人の中で1番順位が高い人は?」

「現在ランキング戦1位のグレイスだ。」

「あの野郎...」

この3ヶ月間あいつには結構色々やらされたんだよな。挙句にこれかよ笑

よし、受けてやろうじゃん!

「どうされました?」

「全部受けます」

「え?」

「ん?」

「受けますってあのグレイスだろ!?絶対やめた方...

「受けます」

...が」

「そうですか、分かりました。止めはしないが後悔しないでくれよ。」

「で、順番と日時は?」

「順番は同じ日に申し込んだ人の中ではランキングが低い人順だ。日時?今からだ。」

「は!?今から!?」

「そうだ。今からだ。どうせお前は明日も大量に申し込みが入るだろうからさっさと終わらせるんだ。」

「え?まさか今から60連戦するの?」

「当たり前だろう。」

「えぇ」

「いいからさっさと来い。最初の対戦相手がお待ちかねだ。」

こうして俺は闘技場に連れてこられた。

アナウンス『これより、第1試合を始めます。第1試合、1年生956位 ナン君 倍率15.2倍 vs 1年生143位 ヴェルヘイム君 倍率1.3倍です。両者位置に着いてください。』

ん?倍率?

「ヴェル君がんばれ〜!」

「がんばれ〜!!!」

ユリとテレスも来てるのか。負けられないな。

「ヴェルヘイム!貴様ユリーシャ様とテレスティーナ様とくっつきやがって!退治してやる!」

酷い言いようだな。

「退治って俺は魔物か何かか?」

「魔物みたいなものだろう!化け物め!」

「そうか。」

『戦闘開始!』

「うぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」

身体強化を掛けているがかなり弱いな。こんなもので俺に勝てるわけがないだろう。

「おりゃぁぁぁぁぁ!!!!」

風魔法エンチャント

吹きとべ!

ギィン!!!!

「うわぁぁぁぁぁ!!!!!」

うぉおおぉ!!

わぁぁぁああ!!!!

観客席も凄い湧いてるな。てか学院生じゃない?外部公開してるのか。

『第1試合終了。勝者、ヴェルヘイム君。1分間の休憩を挟んで続いて第2試合に入ります。』

1分間しか休憩貰えないのかよ。ってかこれいつ終わるんだ?

『第2試合を開始します。1年生 905位 ゲイマン君 倍率15倍 vs 1年生 143位 ヴェルヘイム君 倍率1.3倍 です。両者位置に着いてください。』

「貴様、ユリーシャ様とテレスティーナ様を洗脳でもしたのだろう!そうか?いや、そうだろう!この悪魔め!」

さっきの奴といいこいつといい、なんなんだ笑

「さっさと準備しろ。時間が惜しいんだ。」

「キーッ!!!!」

『戦闘開始!』

「貴様ァァァァァァァあ!!!!!」

本当になんなんだ?

結局1年生はほとんどこの手の人だった。

もちろん完勝。

さて、次は2年生だ。

『続いて、第11試合に入ります。2年生 695位 倍率8.5倍 vs 1年生 143位 倍率 1.4倍 です。両者位置に着いてください。』

「...」

「...」

「...」

なるほど。こいつはこれまでのヤツらとは違いそうだ。順位上げか?

『戦闘開始!』

2年生が魔法の詠唱を始める。

おいおい、止まったまま詠唱とかまじかよ。

んー、今のうちに倒してもいいけど食らってみるか。

「ファイヤーバレット!」

5発の炎の弾丸が飛んでくる。

シールド魔法展開

パパパパパン!

「なっ...!?」

「次はこちらの番だな。」

この間のアイスアローでいっか

「アイスアロー」

シュシュシュシュ

俺の後方に氷の矢が500本程出現する。

「ヒッ!」

俺は演出も必要かなと思って手を挙げて振り下ろす。

ドドドドドォン!!!!!!!

「うわぁぁぁぁぁ!!!!」

『勝者、ヴェルヘイム君です。続いて第12試合を行います。2年生が1人他全員棄権、不戦敗となりましたので、次は3年生のガルム君vs1年生のヴェルヘイム君となります。』

棄権?どういうことだ?

でも1人は残ってるんだよな?