目玉に翼だけか、と思ったが違っていたらしい。

 目玉そのものに口があるようだ。

 しかも眼球の上下に。

 開けた口の中から奇妙に長い舌が伸びてきている。

 牙も見えた。

 うん。

 不気味だ。

 魔物は急にヘリックスを向いた。

 何だ?

 空を飛んでいるヘリックスが一瞬だが体勢を崩したようだが。

 いや。

 攻撃を受けたようだ。

 ヘリックスのHPバーが僅かだが減っている。

 魔法か?

 呪文詠唱は聞こえていない。

 いや、これがこの魔物の特殊能力?

 今度はオレと残月に向けて攻撃が加えられた。

 間違いない。

 どこかで見たような攻撃。

 フォース・バレットだ。

 どうやら目を閉じた後、開けたタイミングで呪文にも似た攻撃が飛んでくるようだ。

 ん?

 目を閉じている時間がちょっと長い?

 ヤバい。

 そうオレの直感が叫んでいた。

 残月にダッシュさせて魔物から距離をとった。

 だが間に合わなかったようである。

 冷気がオレ達がいた場所を中心に一気に拡散したようだ。

 氷魔法の全体攻撃呪文か?

 オレだけでなく残月も、リグもダメージを喰らっている。

 さ、寒い。

 というより痛い!

 だが目を閉じる時間が長かった事が幸いであったかもしれない。

 魔物はヘリックスの攻撃をまともに喰らっていた。

 しかも眼球に。

「ZYGYYYYYYY?」

 なんとも音声にし難い叫びが魔物の口から発していた。

 叫び、だと思うんだが。

 悲鳴には聞こえない。

 怒りの咆哮でもないだろう。

 なんだろう。

 呪詛、というのが一番近いのかもしれない。

 攻撃を受けた魔物はフラフラと空を漂い始めた。

 ヘリックスが魔物の翼を攻撃。

 完全にバランスを崩した魔物は地上に落ちた。

 当然、残月で駆け寄る訳だが。

 魔物の目が瞬きを繰り返す。

 その度に拳大ほどもある岩が飛んでくる。

 残月のスピードがなければ回避し切れなかっただろう。

 ストーン・バレット、だよな?

 威力は低めに見えたが。

 魔物がまた目を閉じた。

 すぐには開けない。

 残月に騎乗したまま魔物に向けてロッドで突く。

 魔物が目を開けたのと同時にロッドが命中した。

 魔物の攻撃は発動しなかったようだ。

 地上を転げまわって苦しみだした。

 残月で反転させると突撃。

 魔物の上を駆け抜けながら蹄の先で体中を踏み潰していく。

 それで魔物のHPバーは完全になくなったようである。

 さて。

 魔物の死体は結構酷い有様であったが何が得られるだろうか。

 剥ぎ取りナイフを突き立てるとこんなのが取れました。

【素材アイテム】水晶球 品質C+ レア度3 重量0+

 真球に研磨された水晶。

 説明、短すぎだろ。

 まあ品質にレア度から見てそこそこに価値が高いのだろう。

 《アイテム・ボックス》に放り込んでおいた。

 オレもヘリックスも多少ダメージを喰らっているが、ポーションで全快近くにまで回復させておく。

 それにしても、この魔物は一体?

 今の戦闘だけでも3系統の攻撃呪文みたいな特殊能力を使ってきた。

 呪文詠唱はなかった、筈である。

 目を閉じた後、開いた瞬間に攻撃が来ていたな。

 むう。

 スライムのリグだとあまり相性は良くないようにも見えるが。

 この布陣のままで行こうか。

 遠目に森が、その先には山並みが見えていた。

 山は東に行くに従って標高が高くなっているようだ。

 西側にも少し高めの山があり、峰がまるで壁のように立ちはだかっている。

 広域マップを確認しよう。

 どうもあの峰の向こう側が隣のマップになるようだ。

 N1W2マップは山岳地形になっていると見た。

 森の中をざっと見て回ったら風霊の村に一旦引き返すのもいい。

 その前に。

 携帯食を取り出すと少しずつ腹に入れながら移動を続ける。

 時刻はいつのまにか正午になろうとしていた。

 森の中はレギアス周辺にも似た雰囲気がある。

 マップで1つ違うだけなのだから似ていても当然なのだが。

 とは言っても魔物まで似ている必要はないと思うのですが。

 目の前には暴れギンケイ(メス)らしき魔物がこっちを威嚇するように向かってきていた。

 こいつかよ。

 森の中でもフォレスト・ウォークで残月の機動力もそれなりにある。

 普通に戦えば楽勝だろう。

 そう思ってました。

 誤算が重なって苦戦中です。

 まずヘリックスだ。

 森が深くて真価を発揮できない。

 これは交代しなかったオレが全面的に悪い。

 リグも同様だ。

 魔物に貼り付かせられないと真価は発揮できない。

 これもオレの責任だな。

 残月。

 確かに森の中でもさほど移動するには問題はない。

 かといって平原並みに移動できる訳ではないのだ。

 どういう事か、と言えば魔物がやたらと速いのだ。

 【識別】して確認もしてある。

 暴れキンケイ(メス) Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ

 何が違うのか。

 草叢の中を自在に移動してきて残月を嘴でつつく。

 するとまた草叢の中へ隠れて移動。

 またこっちを攻撃してくる。

 厄介な奴だ。

 覚悟を決めて残月から降りる。

 オレ自身で迎撃しよう。

 捕まえてしまえばなんとでも出来る。

 来た。

 オレにではなく残月に、であるが。

「フォレスト・ウォーク!」 

 呪文の効果を確かめる余裕はない。

 草叢が揺れながら動く場所に迫る。

 残月に向かって飛び上がる魔物。

 その首をロッドで叩く。

 何だ?

 手ごたえが違う。

 やたら硬くないか?

 蹴り飛ばしてもみたが、重い。

 そして硬い。

 結構、まともに喰らわせている筈なのだが、魔物のHPバーは1割ほどしか減っていない。

 なにこのニワトリ野郎、強いな。

 魔物にヘリックスも襲い掛かるが草叢に入ってしまった。

 草叢の中からヘリックスが飛び上がる。

 魔物は?

 またこっちに迫ってくる。

 今度は間違いなくオレだ。

 ロッドを手放した。

 こいつの動きを止めねば。

 こっちからも突っ込んでいく。

 跳び上がって襲ってくる魔物の嘴が迫っていた。

 首を掴むと地面に抑え込む。

 凄い力だ。

 なんと、オレの体重を跳ね返しかねない。

 だが援軍が来ていた。

 リグだ。

 目の前をこっちに這って来ている。

 魔物に取り付いたリグは首全体を覆っていった。

 そして上半身も覆い尽くしていく。

 オレは暴れようとする魔物の翼を踏みつけた。

 もう片方は残月が踏みつける。

 あとは待つだけだ。

 魔物を屠るには意外に長い時間が必要だった。

 なんなの、こいつ。

 剥ぎ取りナイフを突き立ててみる。

 やはり翼が取れた。

【素材アイテム】金鶏の翼 原料 品質C レア度2 重量1 

 暴れキンケイ(メス)の翼。一般的には矢羽根に加工されている素材。

 あれ?

 金?

 銀じゃない?

 また【識別】したのに見間違えたのか。

 いや、運営の罠だ。

 そう思うことにした。

 いかんな。

 森の中でこの陣容は組み替えた方が良さそうだ。

 移動速度はやや犠牲になるが仕方がない。

 思い切って全員を入れ替えた。

 残月、ヘリックス、リグを帰還させる。

 召喚するのは?

 探索、それに警戒に黒曜。

 森の中を踏破するのに有利そうな戦鬼、護鬼を召喚した。

「ゲヒヒッ」

「グゲ」

 戦鬼と護鬼が何やら会話しているような気がする。

 かと思えば互いに興味がないようにも見えるのが不思議だ。

 いや、互いに黒曜を構っているだけか。

 仲が良いのはいい事である。

 まあそれはそれとして、だ。

 護鬼に装備を身につけさせて準備完了である。

 いや。

 戦鬼、護鬼にフォレスト・ウォークの呪文を掛けておいた。

 これで準備完了。

 フォレスト・ウォークの真価は如何に?

 凄いよフォレスト・ウォーク。

 感覚的には平原を走っているのとさほど変わらない。

 ややスピードが落ちる、といった所か。

 差を体験したかったので走ってみたらそんな感じである。

 走ったらウォークじゃないだろ!

 歩いてもみた。

 差はさほど感じないが、確かに踏破するのが楽な気がする。

 それよりも気になるんだが。

 護鬼が木々の枝を伝ってジャンプしまくり。

 オレでも出来そうかな?

 枝が細いんでパスしました。

【素材アイテム】金鶏の卵 原料 品質C レア度2 重量0+ 

 暴れキンケイの卵。鶏の卵に比べて黄身が大きく美味で知られる。

 で、護鬼が親のいない巣から卵を強奪している訳ですが。

 戦鬼と護鬼も揃って何かを訴えかけてきてます。

 マズい。

 料理したものじゃないとあげないんだから!

 暴れキンケイ(メス)を狩りながら森を東へと進んでいった。

 怪しい洞窟が途中に見付かっていたが、そこは敢えて無視する。

 もうすぐW1マップになろうか、といった所でやっと別の魔物に遭遇した。

 外観は狐であるが果たしてどんな奴なのか。

 【識別】してみよう。

 ポルカドットフォックス Lv.5

 魔物 討伐対象 アクティブ

 よう分からん。

 どう見ても外観はキツネだ。

 但し水玉模様だけどさ。

 護鬼が矢を射掛けて先制した。

 命中したように見えたがキツネには到達していなかった。

 空中に水球が浮かんでいた。

 矢はその水球に命中しているが、貫通していない。

 水魔法の呪文、ウォーター・シールドほどではないようだが、それに似た防御と言える。

 厄介な特殊能力を持っているようだな。

 戦鬼が魔物に迫る。

 駆け寄って拳を振り抜こうとして。

 出来なかった。

 幾つもの水球が戦鬼をその場所に留めるようにぶつかっていたのだ。

 戦鬼はカウンターでまともに喰らってしまいHPバーが8割ほどに減ってしまっていた。

 こいつめ。

 水球は攻防一体の特性を持ち合わせているのか。

 戦鬼の攻撃を凌ぎきった水球はキツネの傍に戻ると周囲を回り始めていた。

 なんて言えばいいのか。

 これまた厄介な奴め。

「レジスト・アクア!」

 水属性だと分かれば対処法はある。

 オレ自身に水耐性を呪文で与えると魔物に迫る。

 水球が連続でオレに向かって来た。

 半分は喰らった。

 だが半分はロッドで撃ち落としただろう。

 護鬼の放った矢は避けられたが、その隙を突いて黒曜が攻撃を加える。

 オレが水球を捌ききった所で戦鬼も魔物に迫ってきていた。

 戦鬼の拳が魔物に振り下ろされる。

 回避した魔物にオレの前蹴りが直撃した。

 爪先に確かな衝撃がある。

 間違いなく大きなダメージを与えた筈だ。

 魔物のHPバーは一気に半分近くにまで削れている。

 再び水球が何個か生じていたが、その数では全方位をカバーできない。

 後背から黒曜が襲い掛かっていた。

 転がる魔物をオレが蹴り飛ばす。

 最後は戦鬼の拳が魔物の腹に直撃して終わった。

【素材アイテム】水玉狐の皮 原料 品質C レア度2 重量1 

 ポルカドットフォックスの皮。皮厚は薄くて柔らかく保温性は高い。

 なんと言えばいいのだろうか。

 また皮か。

 パラレルラクーンも確か皮が剥げていたよな?

 何かの符号?

 思い当たるのは保温性だ。

 まさか。

 まさかね。

 防寒着を作って山に登れって事なのかね?

 こっちの森には暴れキンケイの巣が樹上にあった。

 登攀技能を鍛えろ、というメッセージ?

 いやいやいやいや。

 寒さに耐えながら探索を進めてユキヒョウみたいな魔物と戦えと?

 だが待ってほしい。

 十分に有り得る話だ。

 だがそうするにしても準備が必要だろう。

 防寒着がないとな。

 氷魔法の呪文、レジスト・アイスも有効かもしれない。

 MPが十分あればそうするのもアリだが、現実的じゃないよな。

 いずれにしても狐と狸の皮は売らずに溜め込んでおこう。

 皮はそんなに大きくない。

 何枚、必要になるんだろうか。

 広域マップの端のあたりで断崖絶壁になっていて通り抜けられそうにないのを確認した。

 折り返して西へと戻っていく。

 今度はスルーした洞窟に行ってみよう。

 洞窟の入り口に戻るまでに暴れキンケイ(メス)を4匹、キツネは2匹を狩っている。

 アイテムは全て回収できている。

 安定収入って素敵だ。

 まだ暴れキンケイ(オス)は見かけない。

 間違いなくこの森のどこかに居ると思われるのだが。

 まあそれも後回しでいいだろう。

 洞窟の前に来ていた。

 ここに入ってみる事にしよう。 

 視界確保はフラッシュ・ライトを選択した。

 戦鬼はオレよりも夜目が効きそうなのだが、護鬼には及ばない。

 その護鬼も夜目に関しては黒曜に及ばないようだ。

 無理をする事はないだろう。

 奥に進んでみる。

 洞窟は奇妙な構造をしていた。

 非常に整然としているのだ。

 ただ、人間が作ったとは思えない構造である。

 溝だらけだ。

 床も壁も天井までも溝だらけ。

 洞窟そのものは幅広の楕円形で統一されている。

 しかも大きい。

 地肌が露出しているのだが、崩れているような様子もない。

 誰かが整備している。

 そんな印象が強かった。

 で、その整備をやっているであろう存在が見付かった。

 魔物なんですけどね。

 アントマン・ポーン Lv.2

 魔物 討伐対象 アクティブ

 またアリかよ!

 だがこのアリ、イビルアントとはまるで様子が違うのだ。

 大きい。

 直立歩行しているせいでそう見えているのかもしれないが。

 そして4本の手に得物を持っている。

 槍のようであった。

 結構長柄のように見える。

 そう。

 魔物ではあるが道具を使う連中なのだ。

 それだけにいくらかは知能も高いと見ていいだろう。

 それが10匹ほど目の前にいた。

 初めて戦うにしては微妙に多いような気がする。

 戦わずに回避する選択肢は既になかった。

 赤のマーカーが次々とこっちに向かってくる。

 しかもアリ共は槍先を揃えてこっちに向かって来た。

 5匹が列を形成して並ぶと、速度を合わせて突撃してくるのだ。

 統率が取れてやがる。

 アリの最初の攻撃は全員が避けたようだ。

 オレはジャンプして避けた。

 低い位置を狙って突いてきたからだ。

 間合いを詰めてしまえば槍には不利になる。

 こっちの接近戦を狙おうとしたのだが、アリ共はオレの想像を越えて動いてきていた。

 残り5匹がまた戦列を組んで突撃をしてきている。

 腹に喰らいかけた。

 クソッ。

 二列目にいたアリに接近戦を挑む。

 ロッドをその場で手放して突っ込んだ。

 イビルアントに比べたら大きい相手だった。

 それでも戦い方が変わる訳ではない。

 首をいきなり捻り切ろうとしたが抵抗する力が強くて捻れない。

 ならばこれはどうだ?

 肘撃ちと膝蹴りを放って首関節部分を挫いてみた。

 絶道だ。

 これはさすがに効いたようである。

 頭に腕を回して牙を手に持って頭そのものを捻り回した。

 その上で引っこ抜いた。

 それで絶命である。

 倒せることは倒せるが、イビルアントより面倒なのも間違いない。

「グラァ!」

 戦鬼はいつもの如く暴れまわっているが、効果的に倒せるまでにはいかないようだ。

 護鬼は?

 鉈と盾に得物を変更して戦っている。

 壁に押し付けるようにしてから頭を盾で潰していた。

「グゲゲ」

 うまく倒したようで嬉しそうな声を上げている。

 戦っている最中なのだが笑っちゃいました。

 それに収穫もある。

 壁に押し付けて逃げられないようにしたら倒すのも楽だろう。

 戦列そのものは黒曜が牽制し続けた影響で乱れに乱れていた。

 次の1匹は壁に押し付けた状態で肘を連続で撃ち込んで弱らせる。

 そして頭を捻って引き千切った。

 手間は掛かるがこれでいいか。

 戦鬼もただ暴れるだけに留まらない。

 胴体を踏みつけてから頭をそのまま引き抜いてました。

 力があるから捻らずとも引っこ抜けるらしい。

 気がつけばあっという間に魔物の数は半減している。

 だが魔物にも大きな変化が起きていた。

 援軍が、来ていた。

 こんな所までイビルアントと共通なのか。

 最後の1匹は他の個体とかなり違っている。

 他の個体に比べてかなり大きい。

 だが戦鬼の方がまだ大きかった。

 そして体重では圧倒している。

 アントマン・ビショップ Lv.1

 魔物 討伐対象 アクティブ

 【識別】してみたら別の個体だったらしい。

 アントマンには違いないようだが。

 このアントマン、何やら口から吐こうとしていたようだが、それも頭ごと護鬼に潰されていた。

 何を吐いたのか?

 地面に落ちたのは粘度の高い唾液のようなものだったのだが。

 煙が発生してます。

 酸か何か、らしい。

 どうもこのマップの魔物は面倒そうな奴が多そうだ。

 こうなるとラプターのような魔物が有難く思えてくる。

《只今の戦闘勝利で【関節技】がレベルアップしました!》

《只今の戦闘勝利で召喚モンスター『黒曜』がレベルアップしました!》

《召喚モンスター『黒曜』が【天耳】スキルを取得しました!》

《任意のステータス値に1ポイントを加算して下さい》

 苦労の甲斐はあったのか?

 黒曜がレベルアップ、スキルも増えたようだ。

 黒曜のステータス値で既に上昇しているのは敏捷値か。

 任意ステータスアップは精神力を指定した。

 ステータスだけで見ると魔法使いっぽく見えるんだよな。

 魔法は使えないけどね。

 召喚モンスター 黒曜 フクロウLv4→Lv5(↑1)

 器用値 12

 敏捷値 19(↑1)

 知力値 20

 筋力値 12

 生命力 12

 精神力 16(↑1)

 スキル

 嘴撃 無音飛翔 遠視 夜目 奇襲 危険察知 天耳(New!)

 魔物のアリは全部で18匹いたのだが、得物の武器である槍は使い物になりそうにない。

 細すぎるのだ。

 それに軽すぎる。

 剥ぎ取りナイフを突き立てていったのだが思わしくない。

 イビルアントのように甲も針も剥げないのだ。

 その代わりに別の物が得られた。

【素材アイテム】蟻人の蜜蝋 原料 品質C レア度2 重量0+ 

 アントマンが群れの幼虫に与える蜜の固形分。

 ワックスとして用いられる。

 ワックス、ね。

 木製品ならば使う事もあるかも知れない。

 アントマン・ポーン17匹で蜜蝋が3つ。

 アントマン・ビショップは何も残さなかった。

 得るものがあるだけマシと思っておこう。

 ダメージもポーションでなんとか遣り繰りできる範囲で収まった。

 あれだけの激戦だったんだが。

 それにしてもだ。

 ポーン、それにビショップですか。

 名前に意味があるのだとしたら、他の種類もいるのかね?

 ナイト、ルーク、キング、クイーン。

 絶対にいると思います。