The Too Many Summonings from Japan Have Caused the Goddess to Flip Out

There's also a large earthbag nearly a meter away!

「助けてほしいでござる」

「ハイ喜んで!」

ホムラ国のヤヨイさんのお宅にて。

助けを求める猫耳が伏せちゃってるヤヨイさんと、その助けに即座に快諾を返すローマンさん。

話が始まったばかりなのに終わっちゃうのでもっと膨らませてください。

「して、何かお困りごとでも?」

「普通了承の前にそこを聞かないでござるか。いや。ローマン殿からの書状を受けて、こちらからもフィッツガルドへ使者を送ろうという話になったのでござるが」

「ふむふむ」

「何故かそれに拙者が選ばれたでござる」

「適任では」

「にゃんと!?」

まさかのローマンさんからの言葉に、伏せていた猫耳をピンとはって驚くヤヨイさん。

ちなみに猫が耳を横に向けるのをイカ耳と呼ぶこともありますが、これは周囲の音を拾うことに集中し警戒している状態だそうです。

「拙者の家は武の家でござるし、そもそも拙者自身が仕官すらしてないでござるよ?」

「それはこの国への使者にされた私もほぼ同じです。むしろ格を考えるなら私という使者への返答としては相応な上に、諸々の事情を考えたら最適と言えるのでは」

「つまり全てはローマン殿のせいだったのでござるか」

「どちらかというと慣例無視して私を送り込んだ皇帝陛下のせいです」

即座に皇帝陛下に責任転嫁する流石のローマンさん。

でも実際他国への使者に、役人としては新人な上に爵位も継いでない貴族子息送り込むとか、相手が事情を汲んでくれなければ「なめとんのか」と言われてもおかしくない暴挙です。

なので今からすぐにヤヨイさんに形だけ肩書背負わせてフィッツガルドに送り込まれても文句の言いようがありませんし、むしろローマンさんとの関係性を考えれば粋な演出だと捉えられるかもしれません。

もちろんその場合ヤヨイさんはおかざりで、ちゃんとした文官が随行に付くでしょうが。

「なるほど。つまり実務は他の者がやるから、拙者は難しく考える必要はないということでござるな」

「いえ。普通に皇帝陛下との顔合わせなどはヤヨイさんがする必要があると思いますが」

「拙者に死ねと?」

「そんな緊張しなくても。相手はグライオス陛下のお子さんですよ」

「……急に大丈夫な気がしてきたでござる」

ローマンさんにそそのかされ、他国の君主への認識が一瞬で知り合いのおっさんの子供に変わるヤヨイさん。

それはそれでかなり問題がありますが、緊張しすぎるよりはいいのかもしれません。多分。

今日も異世界は平和です。

一方高天原。

「令和ちゃんが本気出した」

「まだ六月始まったばかりですよ」

扇風機を強にして畳の上で転がっているアマテラス様と、呆れたように言うツクヨミ様。

寝っ転がったままだと畳と接地している部分が蒸れるのか、定期的にごろんと転がっています。

「でもまだだ! 梅雨が! ミズハっちが何とかしてくれる!」

「梅雨入りはともかく八月までの気温は平年より高くなるそうですよ」

「……神は死んだ!」

「つっこみませんからね」

畳の上で転がったまま叫ぶアマテラス様とスルーしてるようでできてないツクヨミ様。

ちなみに一部地域では降水量も多くなるそうなので、水害などにも注意しましょう。

土嚢をつむなら叩いて平らにしたうえで互い違いにしないとスキマができるだろ!?(陸自脳

「いっそ全て水に沈めば涼しいのでは?」

「姉上がエラ呼吸できるなら止めませんが」

「いや止めなさいよ」

仮にアマテラス様が平気でも他がただじゃすまねえとつっこむ、呼ばれた気がして来ていたミズハノメ様。

今日も高天原は平和です。