Vanguard of the Eternal Night

　「そんなんでシャーリーを嫌いにならない。俺がシャーリーを笑顔にする。大好きだよ」

　普段はあたふたするくせにいざとなったらあんな恥ずかしいセリフでも堂々言える。

　ハルはある意味凄い奴だ。

　俺には死んでもそんな事は出来ないだろう。

　というか、女とは一体何なんだろうか？

　ソニンという妹はいるし、守らればならないと思っているが男女の仲とはまた違うだろう。

　違いは何なんだろうか？

　ロイとアリィの仲も男女の仲と言えるだろう。

　ハルとシャーリーとはまた違うがあの二人の間にも男女の仲があるように見える。

　謎だ。

　剣術や魔法と違い、男女の仲には答えがない。

　そして、一人で成し遂げられるものでもない。

　この探求は奥が深い。

　俺もいずれは理解できる日が来るのだろうか？

　こればっかりは俺にも想像がつかない。

　でも、こいつらと旅をするのは悪くはないな。

　男女の仲以外にも、庶民の金銭感覚、交渉……今までに経験した事ない事ばかりだ。

　それにこいつら半端なく強い。

　……まぁ、俺が本気を出せば勝てるだろうが。

　俺もあのムカつくロイに鍛えられたからな。

　それに、才能は俺の方が上のはずだ。

　なんせ、短期間に力がついたからな。

　まだ、伸びしろもある。

　でも、こいつらは良くも悪くも俺を特別視しない。

　国にいた時は、みんな俺の機嫌取りばかりで鬱陶しかったのにな。

　何か不思議な気持ちだ。

　いろいろ言ったが、まぁ仕方ない。

　和平条件にもあったからな。

　もうしばらくこいつらと一緒に行動してやるか。