Vanguard of the Eternal Night

Episode 166: What Pope Lars did, 29.

 「霊峰フォルクレストの祠に行くのは明日の朝になります」

 俺たちの護衛を受け入れてくたみたいで、霊峰フォルクレストの祠へ行く行動予定を教えてもらっている。

 護衛を受け入れてくれたってか建前上、俺たちが勝手に霊峰であるフォルクレストに行くって感じだけど。

 「朝か〜ちゃんと起きてよ、ハル」

 「俺はちゃんと早起きだ!」

 ソニンの奴……この前のはみんなが早く起きただけで俺が遅く起きた訳じゃない!

 それになんかソニンが言うと護衛が遠足みたいな感じに思えてくる。

 「まぁ俺とウィルがちゃんと起こすよ」

 「……万が一の時は任せとけ」

 「お前らなーー!!」

 「どうしても起きなかったらシャーリーに目覚めのキスでもしてもらったらいいのよ」

 「えっ!? キ、キス!?」

 「シャ、シャーリー! 間に受けるな!」

 なんだこれは。

 真面目な話だったのにソニンの一言から話が変わってしまった。

 ……恐るべし。

 というか、なんで俺とシャーリーがいつも被害に遭うだ!?

 シャーリーなんて顔がメイファちゃんがくれたリンゴみたいに真っ赤になってるし!

 「ふふふ、皆さん仲がよろしいのですね」

 俺たちのやりとりを見ていた巫女が微笑む。

 「い、いや、違うんですよ巫女様! ……ん? 違うってのは違うか? とりあえずすいません!」

 巫女様に謝る俺。

 なんで俺が……。

 「ふふ。大丈夫です。それに私も皆さんと仲良くなりたいのでルルとお呼びください」

 えっ?

 巫女様を名前で呼んでいいのか?

 突然の申し出だった。