Vanguard of the Eternal Night

Episode 341: What Spiritual Peak Folkrest Can Do, Part 6

 「なんだあれは……」

 頂上に近づくと頂上付近は平らになっているのか、続く道は見えなくなったが奥行きがあるように見える。そして、その奥行きの先に何やら靄にかかった大きな影が見える。

 あれが光の精霊……? いや、ノームは小さかったから違うような気もするけど……精霊って大きさバラバラなのか? そうだとしても大き過ぎる気がする……。

 「ビアンさん分かりますか?」

 「いや、分からないわ。さすがの私も影で何か分かる訳じゃないし」

 そりゃそうだ。

 とりあえず近づいて確認するしかないか。

 「とりあえず行って確認するしかないだろう」

 ウィルの言葉にみんな頷くとその影を目標に歩き出す。

 やがて歩く道は平坦になり、ここが霊峰フォルクレストの頂上という事を表す。

 そして、道が平坦になった事で影の大きさが分かるようになった。

 「あれは相当でかいな。岩か何かか?」

 「分からん。しかし、相当な大きさだな。城とまでは行かないが普通の家よりはかなり大きいだろう」

 「霊峰フォルクレストの頂上にあれほど大きなものが……」

 「なんか研究者魂に火が点いたね! 調べてみるわ!」

 そう言ってビアンさんが影へと向かって走り出した。

 『清キ心ヲ持ツ者タチヨ』

 「なに!?」

 「これは!?」

 「これは……」

 頭の中に直接響くような感じで声が聞こえビアンさんは立ち止まる。そして、ウィルやルルも驚愕した顔をしている。

 まさかこれは……俺はこれを知っている。