Vanguard of the Eternal Night
Episode 344: What Spiritual Peak Folkrest Can Do, Part 9
「あなた様は……」
ルルがその少女を見て呟く。
白髪の少女、そして今いる場所、それを考えると……。
「はい。私は光の精霊ルクス。皆様が来られるのをお待ちしておりました」
「「ーーっ!?」」
ウィルとビアンさんはまたしても驚いた表情をして光の精霊ルクスを見ている。
「……ハル様、地の精霊ノームより聞いておられるかもしれませんが私はハル様にお話する事があります」
何となく予想はしていたけどやっぱりそうか。
ノームが言ってたように光の精霊は俺に両親の事を直接話したいと言っていた。
そして、今神竜ルチアが光と闇の戦いについて話そうとしたところで姿を現したという事はおそらく……。
「……俺の両親の事ですか? 光と闇の戦いは俺の両親に関係すると」
「……はい、その通りです」
光の精霊ルクスは一呼吸置いて答える。
やっぱりそうか。俺の父さんと母さんは光と闇の戦いと呼ばれる争いの中で死んだという事か……。
「でも、今はシャーリーの事が先決なんです。シャーリーを助ける方法を教えてもらえないでしょうか?」
俺の両親の事も気になるけど、ここに来た一番の理由はシャーリーだ。シャーリーを救う為にここに来たんだからシャーリーを救う方法を考えてもらわなければならない。
「その辺の理由も存じております。シャーリーさんの事も関係するので先にお話させていただけたらと思います」
「でもーー」
「今はまだ大丈夫です」
……なにやら理由がありそうだな。
「……じゃあ俺の両親の事、教えてもらってもいいですか?」
俺の両親の事……ずっと気になっていたけどいざ聞くとなると少し怖くなる気がする。
「……ではお話させていただきます」
そう言ってルクスは口を開いた。