Vanguard of the Eternal Night

Episode 345: What Spiritual Peak Folkrest Can Do, Part 10

 「ハル様の生まれた時代……およそ三千年ほど前にその戦いは起こりました」

 えっ……三千年前!?

 俺はそんか昔から現在に送られたのか!?

 「三千年前って俺はそんな昔から今に送られたのか!?」

 「はい、そうです。ハル様のお父様ファラン=アイディール様によって禁術を使い送られました」

 「なっ……」

 そんな遠い昔から現在に……。

 この話にはウィルやルル、ビアンさんも驚きを隠せないようだ。現在の魔法技術では時空を超えるどころか空間魔法でさえ伝わっていないからその反応になるのも無理はない。でも、俺の両親が三千年前だなんて……。理解はしても脳がついていかない。

 「三千年前……世界は魔法と科学の発展により目覚ましい発展を遂げました。人々は何不自由なく生活し、社会は活気に満ちていました」

 ……その辺はエターナル・ログの知識で知っている。でも、じゃあなぜ光と闇の戦いは起きたのだろうか?

 「人々は栄華を極めると一部の人々の中に歪んだ感情が芽生えます。誰よりも幸せに、誰よりも優れるように……そして、人々は同じ人間内でも優越をつけはじめました。そして、人々の中には貧富の差と身分、能力の差により区別され出しました」

 それは人間が自分や自分の周りの人の事しか考えないようになってしまって他人に無関心……いや、それどころか相手を陥れても自分達が……って思うようになったって事か?

 「それは世界を闇に染め暗黒の時代を引き起こす事になります。そこで当時の王……古代人種の王であるファラン様は世の中を正そうと動き始めました。しかし、ある者によってそれを阻止……いや、反乱を起こされたのです」

 「反乱……? いったい誰が……?」

 俺の父……古代人種と言われるからには俺と同じように能力が高いはずだ。それなのに抑えられない人物って……。

 「……あなたの叔父様……ハル様の父ファラン=アイディール様の弟であるゴルゾーラ=アイディールです」