Villager A Wants to Save the Villainess no Matter What!
[Side] Sensei (2)
夏休みが明ける少し前。
僕が担任をしている四年二組のクラス発表についてと、公家からの使者が来て、驚いたの何のって。
クラス発表って何のこと、先生、聞いてない。
話を聞いてみると、デゼルが言っていたグループ研究に、気がつけば、クラスメイトの全員が参加していたんだとか。
それどころか、九月一日からの三日間に渡って、四年二組のクラス発表『水神様への願い事』が実際に叶えられるとかで、大公陛下や公子殿下といった、やんごとなき方々の御前での発表会になるんだとか。
え、ちょっと。
先生、卒倒しそうなんだけど。
しかも、言い出しっぺのデゼルが参加できないらしくて、それなのに、受賞するのはデゼルらしくて、可哀相に、デゼルの悪評がまた高まってしまうんじゃないかと、先生、心配していたんだ。
ところが、幸か不幸か、授賞式の最中に起きた大事件のおかげで、それどころじゃなくなった。
デゼルに闇の神オプスキュリテが降臨したんだ。
凄かった。
闇の神って本当にいたんだね。
いたみたいなんだけど……。
公子殿下が、いつかのジャイロみたいな苦しみ方をしたあげく、お倒れになって、式典どころじゃなくなった。
あれ、どういうことだったんだろう。
お命に別状はなかったようなんだけど。
デゼルとサイファがもう結婚してるとか、いやデゼルは公子殿下と婚約してるとか、まことしやかな噂(うわさ)で学校中がもちきりなのに、肝心のデゼルとサイファ、さらにジャイロまでもが、一週間の公欠を取って公子殿下と一緒にトランスサタニアン帝国に行くとか言い出してるし。
まぁね、デゼルとサイファがもう結婚してるとか、そんなわけないから、仲がいいのを冷やかされてるだけだろうけど。
もうね、わっけわかんなくて、先生は心労で倒れそうだよ。
どうしてこうなった。