Villainess’s Sweet Everyday
Chapter 1492
まだ天井は元通りにならない。太陽や青空の華美さは理解した。バスの揺れが不快に思い、眉をしかめる。バスは疾走し続け、停留所で止まり人を吐き出しながら飲み込む。それを繰り返す。どことなく歪だ。奇異なリンゴというか、四角いリンゴ……バスがリンゴだったら四角い気がする。
指輪ケースのように四角く、カステラのように長く、触り心地はひんやりして、さめた人のように表情を変えず、淡い恋心すら浮かべず、排気ガスのスメルを放出し、人々が足として活用する。なんでこんなにバスについて考慮して、疲弊せねばならないのか。私は直射日光とバスの心地よい揺れに舟をこいだ。うとうとし、目蓋が重くシャッターのように下がり始める。私はガレージだ。