いつも通りカルシラストにうっとりし、ボーッと見つめる私。ああ美形……こんな美少年が生きて現実にいることが神秘的なことのように感じた。

 そんな人の視線を独り占めしている私……。これ以上のことを私は望んではならない。だって今の状態で私は満足だ。なんの不満もない……。

 ただ自信が持てない私が揺らいでカルシラスト様に厄介なめにあわせている……それが申し訳なくて……私は……。

 私はがぶりを振った。自分の負のスパイラル現象をとどめるために。カルシラスト様と自分を比べてはいけない……彼はパーフェクト……私は穴だらけ……あら、また思索……。

 私は自分のねくらぶりに憤懣する。イライラが私の皮膚という皮膚から飛び出しているようだ。

 私は頭部に優しい手のひらの感触を感じ視線を上げる。カルシラスト様は優しげに微笑みこう口にした。

「一人で悩まないでくださいね……頼りにならないかもしれませんが話ぐらいは聞きますよ? まあ、一人で思索するのがあなたの特徴でもありますし……」

 私は撫でられた猫のように気持ち良さそうに目を細めた……。