私は石畳を蹴った。靴が擦れて跡が残った。

 もう終わりなのかな……。私はベストを尽くしたけれど……でも……でも……ね。

 カルシラスト様をチラ見する。平然としている。いつも通りニコニコ。

 その表情が私を奈落に突き落とす。くらくらめまいがする。

 いっそ倒れこんでしまいたい……。そうすれば煩悶しなくてすむもの。

 カルシラスト様が私を置いて去っていくシーンが脳裏に浮かんだ。

 ああ、もうだめ。くじけそう……。でも、諦念したくない。

 できることなら生涯を共にしたい。神様が許容してくれるなら。

 なんとか……なんとかお願いします。

 私はおうのうする。エンドレスに繰り返す。ただひたすらに繰り返す。終わりなんてあるのかしら……。