Villainess’s Sweet Everyday
Lesson 73
私は石畳を蹴った。靴が擦れて跡が残った。
もう終わりなのかな……。私はベストを尽くしたけれど……でも……でも……ね。
カルシラスト様をチラ見する。平然としている。いつも通りニコニコ。
その表情が私を奈落に突き落とす。くらくらめまいがする。
いっそ倒れこんでしまいたい……。そうすれば煩悶しなくてすむもの。
カルシラスト様が私を置いて去っていくシーンが脳裏に浮かんだ。
ああ、もうだめ。くじけそう……。でも、諦念したくない。
できることなら生涯を共にしたい。神様が許容してくれるなら。
なんとか……なんとかお願いします。
私はおうのうする。エンドレスに繰り返す。ただひたすらに繰り返す。終わりなんてあるのかしら……。