カルシラスト様は気づいていない。

 微妙にイラッとくるわね。なんて人なのかしら!

 人のことを足蹴にするなんて……最低だわ。

 そんな時、カルシラスト様が私の腰に手を回しステップを刻んだ。

 私は「どうしたのですか?」と尋ねる。フラグなしだもの。

 彼は「この前見た映画に急にダンスするシーンがあったのでつい……すみません」と口にした。

 私はこう返す。ニッコリ悪役顔で。

「では続けましょう。一、二……はい!」

 カルシラスト様は「わわわ」とリアクションしつつしっかりしたリズム感覚を披露。

 一、二……三……はい、ターン。