「そそそそんなわけないじゃないですか! 男の子大好きです!」

「ええ!? 大好き……? マリカナがチャラくなった!」

「わわわ、大好きというのは例えで……腐ってません!」

「そうですか……よかった。偏った趣味の持ち主かと……」

 カルシラスト様は筋肉が緩みホッとした顔をした。

 よっぽど焦ったのね。私はノーマルだもの。

 「私は……」と発言したところで蝶がフラフラ飛んできて私の鼻の頭にとまった。

「マリカナちゃんたら! 面白いわ! タイミングがグッド! あはは」

「マリカナ、その間で蝶は反則ですよ。ふふふ」

 私は怒りで顔をブルブル振るい蝶を払う。けっこう乱暴に。