Villainess’s Sweet Everyday
Lesson 352.
森の脱出手段を見つけ喜びながら大木から降りる。その際は足を滑らさないように慎重に地面へと。俺は陽が暮れる前に村か街を探そうと決心し、歩みを進める。木の根を避けつつ下草をザックザックと踏み付けながら進む。朝露が素足に冷たかった。
すると喧騒が聞こえた。割りと近場で。獣の唸る声もする。俺は興味本意で足を進めた。
俺は目を見張った。眼前には十二、三歳の黒髪の美少年がバトルアックスを振り回し戦っていたから。その相手は牙を出し光らせ威嚇し美少年の周りを囲む青い毛並みの野犬達。後で知るのだがそれはモンスターで「ブルードック」と呼ばれているらしい。一対一なら美少年が圧倒しそうな相手だったが、数が多い。百頭ぐらいいる。