使用人でもいればなあ。マッサージしてくれるのに、あーあ。カルシラスト様を一瞥しちゃった。今度は別の会社の新聞を注視している。なに、これ、嫌がらせかしら。

「何か面白い記事でもあるんですか?」

「隣国の果物の豊作が大きく取り上げられていまして」

「で、なんですか?」

「気になるじゃないですか」

「ええと、何がでしょうか?」

「果物の供給の増大による作物の単価の低下ですかね」

 え、そんなこと? どっちでもよくないかなあ。まあ、農家の人にとっては大事かもしれないけど。

 カルシラスト様は優しすぎだわ、もう。もうちょっと割り切らないと。辛いだけな気がするのですが。