はいはい、わかりましたとも。ああ、きれい、華やぐというか、いい香り。ここに居座ってあげようかしら。なんだか赤い花が多い気がするわね。気のせいかしら。

「いらっしゃいませ、あれ? どこかでお会いしましたっけ?」

「いえいえ、気にしないでください。私はどこにでもいそうな顔をしていまして」

「はあ、うーん、うーん」

「カルシラスト様、このバラをくわえて歩いたらどうですか? 面白いと思いますけど?」

「マリカナ、不敬罪です、首チョンしますよ」

「ひー、冗談であります」