Villainess’s Sweet Everyday
Lesson 524.
着地する私。危なく転倒しかけたわね。そっと立ち上がりあたりをうかがう。子供ばかり。大人も少し。野良犬がくーんと鳴いていた。
何も変わり映えしない毎日。朗らかな陽気に鼻歌を歌うルンペン。群れたハトたちがばらまかれたパンくずをうまそうについばんでいるわ。くるっくーだって。なんだか、自分だけが空間のはざまに置いてけぼりされている気分だわ。しがらみにがんじがらめにされた私はあくせく、奮闘するも自己の無力さを痛感せずにはいられなかった。