暗い路地には光は届かず、窓から洩れる光源だけがたよりだ。路上で寝苦しそうにしている人がたくさんいる。みんな不幸なのよね。何とかできないものかしら。浮浪者だからって放っとくのもどうかとおもうのよね。

 私は手を握って開く。すると、パンが構築された。フランスパンだ。食べれるのかしら? 一かじり。う、うん、美味いなあ。バターでもあれば最高。私はまた手を握り開いた。今度はイチゴジャムが出現。なに、なによ、この能力。私は少年らにパンをおすそ分け、ついでにジャムも。次々表出してくるわね。