立ち上がる。前へ歩く。左右の器具を見やる。使い込まれているが古さは感じない。また前進。角を右に曲がる。運動バイクがある。誰も使用していない。その一つの電源を入れ私は腰かけた。負荷と時間をパネルで操作しペダルをこぎ始めた。

 こげばこぐほど前方の視界が一新する。今は一本道を走っている。舗装された道路だ。周囲には人影はない。なんだろうこれ。室内にいたはずなのにここは野外。どんどん進んでいく。息切れしそうになるけど好奇心の芽が芽吹く。