When I reincarnated I was a soldier?! ~A man called the Red Shinigami~
The King's Trouble
王は悩んでいた。
愛娘の事で。
まだ12歳。もうすぐ13歳だが。
貴族ならば、婚約してもおかしくない年齢である。
貴族は、だいたい12歳ごろから、婚約しだすが、王族は、それよりも遅い。
なぜなら、王族との婚姻は、貴族間の勢力バランスを変えるためだ。
ある派閥にのみ婚姻が多いと、他の派閥が不満を持つ。バランスが必要なのだ。
それに、ある程度順番というものもある。
王太子の婚約は決まった。
が、第2王子や、第3王子、第1王女、第2王女がまだなのに、第3王女が先に婚約は、少しマズイ。
王には、3人の妻が居る。
王太子と、第3王女は、正室の子、第2王子と、第2王女は、側室、第2夫人の子、残りは第3夫人の子だ。
正室の子だけが婚約となれば、側室の実家が煩くなるだろう。
だが、本人が気に入ったなら、望む結婚をさせてやりたい。相手のパトリックには、不満はあまり無い。王家に忠誠を誓っており、行動も素晴らしい。領地に至っては、新たな酒を売り出し、かなり潤っているらしい。
ああ、あの酒美味い!ブランデーとか言ったか。アレに氷を入れて、チビチビ飲むのが最近のお気に入りだ。
ウイスキーとやらも、なかなか美味い。アレは水割りで、ゴクゴク飲むのが良い。
ああ、考えがズレた。
パトリックなら、無駄遣いはしなさそうだし、あの領地は安泰だろう。
元ハーター領も、新たな作物を育てていると聞く。
不安は、軍務が過酷な部隊という事ぐらいか。
だがそれは、武家の貴族なら、どこの家も一緒である。
宮廷貴族(領地を持たず、王都で暮らし、王城で働く貴族家の事)なら、戦地に行くことは稀だが、宮廷貴族は、豚が多いので、あまり好きでは無い。
また、豚に娘をやるとか、死んでも嫌だ。
一応、パトリックの事を丁寧に説明したが、
「なんて可哀想な方。私が癒してあげる!」
とか、言い出した。
マジでどうしよう。
とりあえずこれを機に、他の子達の婚約の話を相談してみるか。