Why Is the Prettiest Girl in School Trying to Talk to a Loner Like Me during Lunch Break?
Episode 121: Hidden Taste (Not Hidden)
ガチャ
「たららまー」 ← 訳 ただいまー
バタン
「おかららー」 ← 訳 おかえりー
「…………」
(妹の奴……なんて、だらしない格好でアイス食ってるんだよ。てか、それ部屋着だとしても『服』と言えるの? なんかほぼ下着の上にパーカー羽織っただけだよね?)
「ふぅ、我ながら妹のだらしなさに呆れるぜ……」
「帰ってきて早々にどうしたの……お兄ちゃん、頭大丈夫? ラノベの読みすぎじゃない」
「別に我が妹のだらしない返事に呆れていただけだよ。だから、お兄ちゃんの事を頭が残念な人みたいに言うの止めような? それと、ラノベは関係ない!」
「ほーん……てか、私がどんな返事をしようといいじゃん。それに、返事がだらしないのはお兄ちゃんも同じでしょ~?」
「俺は――あれだ! お前に合わせたんだよ」
「私に合わせたって……先に発言したのお兄ちゃんなんだよな~」
「それより、飯まだだろ? 直ぐに用意するから」
「うわぁ~そうやって状況が悪くなると直ぐに逃げるんだから……」
「ん、何か言ったか? 因みに、夕食は『ピーマンのピーマン詰め』にしようと思うんだが――」
「んんんんッ!? なな、何も言って無いよ……? あ! 因みに、私は夕食にピーマンを入れないお兄ちゃんが、だぁーい好きだな♪」
「そうか、そうか……なら、夕食はお前の好きなあんかけチャーハンにしてやろう」
「わーい、お兄ちゃんだぁーい好き♪ って、ちょっと待って……確か、お兄ちゃんも『ピーマン』嫌いじゃなかったけ?」
「いいか? 『お兄ちゃん』ってのは『妹』の為なら、我慢を惜しまないものなのさ……」
「我慢のしどころが違うんだよな~……」
「あ、妹よ。因みに兄は自分の夕食までも『ピーマンのピーマン詰め』だとは言ってないぞ?」
「このお兄ちゃん最低だ! てか、全然『我慢』する気ないじゃん!?」
(さて、そろそろいい加減に調理を始めるか……)
【ぼっちの簡単クッキング♪】
「はい、では今日はお家で簡単に作れるあんかけチャーハンに挑みたいと思います」
「はーい、お兄ちゃん先生♪」
「用意する材料はコレです!」
・米(好きなだけ) ・チャーハンの素(適量) ・中華丼の素(好きなだけ) ・愛情(溢れんばかりに) ・その他(適当に)
「お兄ちゃん先生……なんか、すっごい大雑把ですね」
「料理なんて食えればいいんだよ」
「お母さんが聞いたら激怒しそうな発言ですね……」
「でも、オヤジはそれで納得するぞ?」
「お母さんが激怒しますね……」
「さて、では調理に入りたいと思います!」
「ラジャ~♪」
「まず!」
「うん!」
「先ほどの材料でチャーハンを作ります!」
ギャウ! ギャウ! ギュィイーーーンッ! ← チャーハンを作る音
「へい、チャーハン一丁!」
「なんか、凄い色々飛ばした!?」
「そして、同時に作っておいた中華丼の具とあんかけをチャーハンにぶちまけます!」
そぉおい! ← チャーハンに中華丼の具を乗っける音
「なんか思ってたより雑!?」
「へい、これで【ぼっち流 なんつってあんかけチャーハン丼】の完成だ!」
「結局、どんぶりになっちゃうんだね……てか、前半の材料の紹介とか意味無いよね」
「チッチッ、妹よ。甘いな……実はこの【あんかけチャーハン丼】にはある『隠し味』が使われているのだよ!」
「な、なんだってーっ! つまり、あの材料紹介はその隠し味をさりげなく教える為だったんだね! 流石はお兄ちゃん先生!」
「だろ? さぁ、最初に一口食べて見て、是非その隠し味を当ててくれ!」
「いったらきまーす♪」 モキュ!
(うむむっ! こ、これは――
うん、普通に美味しいね……特に食べた瞬間に服がはじけ飛ぶほどの美味しさではないけど、でも普通に食べれる……よくお母さんがお兄ちゃんに言う『美味しいけど、ただそれだけ』って感じだね。でも、まぁ――私はこのお兄ちゃんが作るチャーハン好きなんだよなぁ~~やっぱり、まだ私が小さい時にお兄ちゃんがよくチャーハン作ってくれたってのもあるんだけど、やっぱり一番は――)
「さぁ、妹よ! 隠し味は分かったかな?」
「うん、お兄ちゃん先生……私は気付いていたよ。さっきの材料紹介の中で普通にツッコミどころと違和感がありまくりで、さらに調理過程で一切触れていない食材? 的なものがあったことに……」
(もう、お兄ちゃんったら! 食材の中に『愛情(溢れんばかりに)』なんて、書いてくれちゃってさ! それで隠し味なんてちゃんちゃらおかしいよ! でも、まぁ……確かに悪い気はしなくも無いよ? まぁ、これも『妹』ですから! 『妹』だから仕方なくお兄ちゃんの愛情のこもった手料理を食べてあげているだけで? 別にお兄ちゃんの『隠し味』が嬉しいなんてことはないんですけどね~♪)
「ほう、やはり気付いたか……」
「ま、まぁ……これでも、私はお兄ちゃんの『妹』だからね~?」
「そう、この料理に使われている隠し味とは――まさに!
『中華丼の素』だ!」
「まさかの全然、隠れてない!?」
【次回予告】
「皆、いつも応援してくれてありがとう! 委員長よ。
さーて、次回の『何故かの』は?」
「おうコラ! お兄ちゃん!? 今なんて言おうとしたのかなぁ~???」 「リサイクルの意味で言ったんだよね?」 「言わせんな恥かしい!」 「~ニョフ♪」
次回、何故かの 「一票」 よろしくお願いします!
「お兄ちゃん、そのセリフ……私以外の子に言ったら殺されるよ?」
* 次回予告の内容は嘘予告になる可能性もあります。