「え?リリィとターニャはしないぞ」

「「…」」

「なぜ?2人がトシに向けている好意は本物よ、なにを迷うの?」

今後どうなるか全くわからないし甲斐性もない状態で契約者を増やすつもりはない、たしかにリリィにもターニャにも魅力を感じているし好意もしっかりある、いずれ2人に契約を求めるかもしれないが今はその時ではないと思う、2人の好意に反応しないようにつとめていたが…

「…う…う…ぐぅ…僕も契約してほしいよ…」

「…うちではダメですか…なんでもします…」

2人共、号泣しながら俺を見ているが俺は…

「無一文の無職、住む場所もなければ着る服さえない、そんな甲斐性なしが契約者を増やせるか!って思ってたんだけどな…先の事は何も解らないし、俺が死んだら一緒に死ぬんだぞ、それでもいいのか?」

「…うん…出会った誰よりも優しくて、かっこよくて、一緒にいて楽しい人なんて絶対他にいないよ…僕を契約者にしてください…」

「うちも同じ気持ちよ…助けてもらった時にかっこいいと思い外見に惚れて、話していて心に惚れて、うちの嫌いだった目を受け入れてくれた心に惚れました…契約をお願いします…」

やばい…嬉しすぎる…俺まで涙が出てきそうだ…

「ああ、わかった…違うな、そうじゃない…俺は特にこれといった長所もない、ルナの言ったようにこれからも契約者が増えてしまうかもしれない…もしかしたら国から追われるような立場になってしまうかもしれない…そんな俺でよかったら…リリィ…ターニャ…俺と契約してくれないか?」

「「はい!!」」

リリィとターニャ…契約者が2人増えました…