「失礼します!ギルマス!」

「どうしたの?慌てて」

「騎士団が状況を報告しろと押しかけてきました!」

「…これから行くつもりだったのに…」

問題が問題を呼び込んだようだ…先に宿を取っておくんだったな…あれ?3人は孤児院に住んでるのか?聞いたっけ?

(ターニャ聞こえるかー?)

(はい、聞こえます)

(ターニャ達ってどこに住んでんだ?孤児院?)

(え?今ですか?街にいる時は安宿に3人で泊まっています)

(俺達宿まだなんだよーあとで紹介してくれー)

(あ、はい、わかりました)

「トシ一緒に王城へ来てもらえる?皆さんも一緒に…」

「今から?」

「そうなります」

「みんないいか?面倒な気が凄いするんだが…」

「行かないと駄目でしょうね…」

「だよな…いいよ行くよ」

「ありがとうございます…お礼は必ず…///」

「「「「…」」」」

ギルド長室を出て騎士団が待つフロアへと進んで行く…鎧がいっぱいいるな…暇なのかな?

「お待たせしました」

「説明しろ!急にキング・ブラディボアらしき生物が現れたと報告を受けたぞ!」

「今から説明に伺うつもりでした」

「言い訳などいい!さっさとついて来い!王が直接お聞きになるそうだ!」

あれ王って病気じゃ?良くなったのかな?それにしてもこいつムカつくな…顔は見えないが体格も声も男だろ…男なら女に優しくしろよ!

「はい、これから向かいます」

「行くぞ!さっさとしろ!」

ぶん殴りたい、力いっぱい殴っても【加減】使えば死なないんだよね…いいよな?…そろそろ殴っていいよな?

(やめなさい)

(え?聞こえてた?)

(なんとなくわかるわ、あの嫌な奴、殴ろうとしたでしょ?)

(そろそろいいかなーと)

(イアンの迷惑になるわ、彼女が耐えているなら耐えなさい)

(…わかった)

ギルドから出ると大量な馬車が並んでいた…こいつら馬鹿じゃないのか?たかが様子見て、人連れてくだけでなんでこんなに…

「そいつらはなんだ!連れて行くのか!」

「はい彼らが今回の事件に係わっているので」

「ふん!大臣から関係者も連れてこいと言われた…お前の様な薄汚い男が王に会おうなんてな!生涯光栄に思えよ!」

(だめよ)

(…ああ)

みんな同時に念話を送ろうとしていたみたいだ、心配そうにこっちを見ている…1対1しか使えないのは不便だな…全員馬車に詰め込まれ王城へ進んで行く

(メリルいいかー)

(はい、なんでしょう?)

(メリル達の孤児院って何人位いるんだー?)

(今子供が22名、シスターが3名が交代でですね)

(結構いるんだな、ブラックファング1匹で足りると思うか?)

(!もらえません)

(だめだ、メリル達の妹なんだろ?なら俺の妹だ、最初は良いかっこさせてくれ)

(…ありがとうございます…)

(1匹で足りるか?)

(…お腹いっぱいまで、わたしたちも一緒に食事するなら…1匹半ですかね…)

(わかった、遠慮はするな)

(…はい…本当にありがとうございます…)

念話をしているといつのまにか王城の目前に到着していた…