With Contract Skill Many Brides!
Miso soup
ヨシコ妊娠疑惑の後、リビングで一人コーヒーを飲みながらスマホを弄っているとリリィ達が戻ってきた。みんな外に行っていた為、画像の整理をしていたのだが……
「今回の旅が始まるとトシ君は忙しくなるんだよね?」
「そうだな、魔国へ行って帰ってくる頃にはサリア、エマル方面も暖かくなって活動できると思うしな」
「そっか……」
「どうした?いつもの元気がないな?」
「だってさー……お留守番だからさー」
「でも……もしかしたら……」
「トシさん?浮気ですか?」
「浮気したの……ですか?」
「してません、ターニャもメリルも解ってるくせに」
「だよね、浮気するなら嫁に加えそうだよね」
「で?なんの秘密?」
「期待を持たせるだけで失敗したら悲しいから少し待ってくれ」
「んー了解、楽しみにしてるね!」
神殿のコアから得た知識だが、いまいち成功のイメージが沸かない……それに今すぐできる事でもないのでまだ言わない方がいいだろう。
「でも明日で終わりかー」
「そうね……でもトシさんが帰ってきた時にだらしない所見せない為にも頑張らないとね」
「///……いっぱい可愛がってもらいましたし……我慢できます///」
「ヒカリも奮発して一人1本ショタ薬くれたしねー///」
「「「///」」」
「///またみんなピンクに……///」
「イーヒも真っ赤だよ?」
「///……しらん!///」
リリィ達を皮切りにみんな戻り始め、いつの間にかにいつものわちゃちゃした空気になった。
「トシー、晩御飯何がいい―?」
「そうだな……卵あるなら久々に……」
「なに?卵料理?珍しいね」
いつものお約束でメニューを聞かれるが滅多に何も言わない、何も言わなくても出てくる品はすべてうまい!稀に肉とか魚とか言うくらいだな。
「味噌汁が飲みたいな」
「んん?話繋がってる?」
「ん?繋がってるぞ」
「お味噌汁に卵?ポーチドエッグみたいになるの?」
「ちがう……え?カオルは卵入れない?」
「入れないよー……入れるの?」
「ちょっとまってくれ……味噌汁に卵入れる人手上げてー」
「「「……」」」
「まじか……」
誰一人手を上げていない……俺が異端なのか?
「よし!作るか!」
「「「え?」」」
「トシが作るの?」
「ダメか?」
「…トシ料理できるの?」
「料理と言うほどの物じゃないけど、一人暮らし歴20年だし、少しはな」
「「「……」」」
みんな期待なのか不安なのか様々な目が……さっそくキッチンに向かい作業を始める、おやつに味噌汁はどうかと思うが、みんな飲みたいって言ったしいいか。
「こっちの出汁とか味噌の分量わからないから教えてくれー」
「はい……///」
「カオル?どうした?」
「///……なんでもない///」
「///……///」
「スズまで、なんかおかしいか?」
普通のシャツにハーフパンツにエプロン、なんだ?なにがおかしいんだ?
「カオルは照れるだけだから気にしないでー!」
「///ヤエ!///」
「照れてる?何にだ?」
「旦那と休みの日に一緒にキッチン立ちたいんだってー!」
「///……///」
「スズも前に似たような事言ってたのでエプロンのとしさんに照れてるだけですよー!」
「///シズー!///」
リビングからキッチンはカウンター越しに繋がっている。カオルとスズ以外はカウンターから覗いているのでヤエ達の口を塞ぐのは無理だったようだ。
「さて外野は気にしないでさくっと作るぞー!」
「///……はい///」
「///……///」
「出汁はこの昆布っぽい何かと鰹節っぽい何かでいいのか?」
「ん!んん!……はい、昆布と鰹節そのままよ」
カオルが気合を入れ直したようだ。スズも隅っこで落ち着いてから戻って来て……
「これで……なあこれで味噌汁用のお椀何杯分位ある?」
「そうですね……50杯位ですかね?」
「大体50杯ですね」
「50!?……えっと……こっちの卵は大きいから……10個でいいか」
前は5杯分で2個位だったはず……
「えっと……トシさん?具は?」
「ん?これからだな」
「はい、何持ってきます?」
「ん?これが具だぞ?」
「???」
ヒカリ製冷蔵庫から10個卵を取り出し並べ……
「///……凄いですね///」
「///…いつもカオルの見てるけど……かっこいい///」
「トシお兄ちゃん凄い!トキが割るとぐしゃってなる!」
左右の手を使い次々と片手で卵を割りボールに溜めていく。
「///なんでそんなに上手いんですか!?///」
「……聞くの?」
「言いたくない事なんですか?」
「……カッコイイかと思って昔練習した……///」
「「「/////////」」」
『カシャ』
「誰だ!撮った奴!」
「…不貞腐れるより照れてるのはレア」
「ヒカリかー!」
画像は後にしてこっちを終わらせないと!
「さて……ヒカリは後にしてこっちを……火を弱めて……ゆっくり……でかき混ぜる」
「……」
「そろそろいいかな?できたぞ!」
「……本当に簡単だけど……どんな味なの?」
「みんな一緒にだな、配るの手伝ってくれー」
「「「はーい」」」
さくっと配膳を済ませみんなで一斉に飲んでみると……
「「「……」」」
「あれ?大体予想通りの出来なんだけど……だめだった?」
「おいしー!トキこれ好きー!」
「美味しいわね、卵以外何も使わないからどうなる事かと思ったけど……」
「ネギとか玉ねぎとかトマト入れる人もいるって聞いたけどシンプルに卵だけでも美味いんだよ」
「トマト?」
「そそ、俺は入れた事ないけどな」
「トシ?今回卵10個だったよね?」
「そうだな10個だ」
「……」
「カオル?」
「あーなにか思いついたっぽいね、ほっといていいよー」
「そうか?これ苦手な人もいるらしいから無理に飲まなくてもいいからなー」
「もう全員終わってるわ、私も終わっちゃった……」
「ルナ?」
「とても美味しかった……ごちそうさまでした」
みんなからお礼を言われて、いつもと違う感じがした。偶にだけど料理もいいもんだ。まずは……ヒカリを捕まえないと!