訓練所のみんなと近い内に遊ぶ約束をしてからラグナと合流して屋敷へと向う。

「それで何がどうなったんだ?」

「屋敷に入ってからでいいか?道すがら話していいのか判断つかん」

「また厄介ごとか?」

「どうだろ?それも確認したいんだよな」

屋敷と訓練所は5分も離れていないのですぐに到着し、そのまま超四季部屋へ。

「この中で話すのか?凄い慎重だな」

「少し実験だ、この部屋の扉開けられるか?」

「俺がか?」

「契約者以外開けられないのはわかってるんだけど、少し仕様が変わったのかも?それで実験したいんだ」

「そうなのか?……試すぞ……やっぱり開かん」

「おぉそれは良かった、じゃ開けるから次の実験な」

「国王を実験に使うなよ」

二人で超四季部屋に入ると早速……

「おい!なんだこの扉、サリアにエマル、リュノーにライスタールだと」

「なんか増えてたんだよ、サリアは開けるか?」

「……まぁ今更か……開かん」

「他は?」

各扉を試していく。

「……全部開かないな」

「それじゃ……ほい」

「ほいって……これでライスタールに行けるのか?」

「その実験だ」

ラグナでは開けないとわかり、次の実験だ。ライスタールと書かれた扉を開くと恐る恐る扉を通る……

「扉さえ開けてあげれば移動できるんだな」

「……」

「会議が終わるまでお茶でも飲んで待ってようぜ」

「……」

「どうした?まさか話せないとか副作用があるのか!?」

「……お前な、まったくリスクなく転移ができたんだぞ?」

「転移って言ってもドア開けて入っただけだけどな」

「……これがどれだけの事か……」

「あれ?お父様?」

地下から出てリビングに向かう途中レイが……会議終わった連絡ないよな?……あ!部屋から出たら連絡しろって言われてたの忘れてた……

「会議終わったのか?」

「一応終わったよ」

「一応?」

「えっと……んー……」

「問題あったのか?」

「小さい事なんだけど」

「小さい事?」

「ノア、カエデ対スーさん達でちょっとね?」

「まずくないか?行こうか?」

「揉めてるとはちょっと違うかも?スカートの丈の話だしね」

メイド服のスカート丈でどっちが俺の好みか……どちらも大好物なんだが……

「ねぇトシ様?僕がメイド服着るならどっちがいい?」

「ロング!」

「///即答だね///」

「理由は解らないがレイがメイド服着ている所を想像するとロングだった」

「///……そうなんだ///」

「父親の前でやめてくれ……」

「……すまん……ラグナの事忘れてた」

「///……///」

レイも完全に頭から抜けてた様だ、顔を真っ赤にして逃げるように移動してしまった。

ラグナを連れて客室と言うのだろうか、5,6人が座って話せる様な部屋に行き……ノアが口論中なら自分でコーヒー淹れるか、もうすぐ夕食だし食べ物は軽くでいいな。

客室に入るとソファにアオが丸まってる……

「あれ?なんでこんなとこいるんだ?」

「会議終わったからお昼寝」

「もうすぐ夕食だから寝ないほうがいいぞ?」

「わかった寝ない……だれ?」

「サリアの国王をやってるラグナだな、レイ、アリア、フィアの父親だ」

「アオです……よろしくです」

「ラグナだ、アオでいいかな?よろしくな」

アオはソファで丸まっていたがしっかり立って挨拶できた!えらいぞ!

「ライスタールに向かう途中に出会ったアオだ」

「向かう途中?魔族ではないのか?」

「魔族じゃない、龍、青龍王って呼ばれてた」

「……トシ?」

「ん?」

「青龍王とアオ……様は言ったのか?」

「そうだな、船で釣りしてたら針に掛かってな」

「……」

「おしりに針刺さった」

「……赤の次は青か……サリアに龍が集結しているのか?」

「白と黒の生まれ変わりもいるな」

「6龍のうち4龍か……」

ラグナが遠い目を始めたのでコーヒーを淹れてあげた。だがラグナも慣れたもので数分で打ち解け、アオを含めた3人でノア達の口論が終わるのを待つのであった。