Another Arcadia Online

Incorporation test ①

編入試験は先生との対決らしい。

軍服……もとい、最高位制服を着てきたことが挑発になったのか、実力に見合わない制服をつけやがってとか難癖付けられたので、本気で相手してやると先生が言っていた。

これ勝てなかったら制服脱がせられるんだろうか。これ以外の服持ってないんですけど。

「魔法は使っていいけど殺さないように……か。逆に加減が難しいな」

私の魔法攻撃力はたぶん並大抵の人間なら死ぬんじゃない? っていうレベルだ。魔法攻撃力のステータスもぶっちぎりであるし、先生が受けたら死にそうな……。

私の攻撃を受けきるには相応の魔法防御力が必要なんだよね。

なら、魔法は封印するか?

いや、しないでいいわ。土魔法とか水魔法とか使っていけばいいし。なんなら風魔法で吹っ飛ばせば問題ないだろう。たぶん。知らんけど。

風魔法でもかまいたちとか使わないようにしないとな。下手すればリアルアンパ〇マンになりかねない。それはそれでグロい。

「真綾、自信は?」

「まぁまぁ。まぁ、先生も普通のプレイヤーよりは強いと思うけど、勝てるんじゃない?」

「上々」

私たちは編入試験の会場に向かう。

会場は生徒たちも見に来ており観客が多かった。戦うのはこの学園で最強と言われる先生とその次だって言われる先生らしい。そんな生意気な制服着てくるやつはぶち殺せと歓声が沸いている。

アウェーだな。まぁ、なんとなく察せられたけど。

「怯えずに来たようだな? ミキとやらよ」

「まぁ、怯えるような敵じゃないし……」

「ほう……?」

血管が切れる音が聞こえる。

真綾ともう一人の先生は無言で対峙しあってる。なんか武人の会話っていうか、目で会話してるような。なんかプロっぽい。

そして、双方微笑んだ。なんか通じ合ってる!?

「そっちの暗殺者のほうは強いみてえだなぁ。ヴァンが微笑むってことはよ……」

「……私は?」

「そんな筋肉もなんもなさそうなお前が強いと思うか?」

「見た目はごもっとも」

「それに、お前には強者の気配すら感じられない」

「ふぅん」

言ってくれるじゃん。

私だって結構強いんだけどな。

「さぁ、話し合いは終わりとしてさっさと始めようぜ?」

「いいよ」

先生は剣を構える。

私は武器もないのでそのまま構える。手で戦うというわけじゃないけれど。

「おいおい、武器も持たねえのかよ? 本当に舐めた真似してくれんなぁ……!」

「私の主体は魔法だから」

「魔法? 杖も持たない魔法が俺のこの魔法防御力がそれなりにある防具に敵うとでも?」

「杖なんていらない」

杖という媒体があって魔法の威力がアップするらしいけれど、それがなくても私の魔法威力は一級品なんだよ。

杖がなくても変わらない。ステータスダウンさせない限りな。

それに、躱すことだって容易だ。翻弄してやるよ。最初は手を出さないから。