Divine Costume Holy Sword Fafnir
Labyrinth 17 Hierarchical Breakthrough Red Dragon Edition (Preliminary)
俺が呟いた瞬間に、レッドドラゴンが白銀の閃光を受けて消滅する。
後ろを振り返ると、そこには左手を前方に向けているエイレンの姿があった。
俺は溜息をつきながら。
「エイレン、ブレス系の魔法使う時は言ってくれ、お前の魔法は山が消し飛ぶんだから」
「えー……」
エイレンは不機嫌な顔をして不満を漏らしてくる。
だが、エイレンの白銀の閃光は、まともに受ければ俺が来ている服すら貫通し一撃で俺に致命傷を与えられる。 そんな物騒な物を後ろから撃たれると困る。
「えー……じゃない。きちんと撃つ前に撃つって言ってから撃てよ?」
「…………はい」
とても納得して無さそうな声色でエイレンは頷いてきた。
俺は、エイレンを連れて先を進む、
すると次々にレッドドラゴンが現れる。
レッドドラゴンは群れを成して俺とエイレンに向かってくる。
レッドドラゴンの表皮は基本的に、タングステン並みの強度を誇っており下手なゴーレムよりも遥かに強度がある。
俺の技は殆どが近距離系の技に分類されるため、飛翔されていると相性が悪いのだ。
そもそも桂木神滅流は、神を討滅するために作られた技であり基本はあくまでも技を行使する人間の体なのだ。その人間の体を利用して技を繰り出すために遠距離系の技は向いていない。
【桂木神滅流】の中において風系に属する攻撃は唯一遠距離に特化した技だが、それでも百メートルを超えると技の威力は激減する。
そういう事から飛翔系の魔物には相性は良くない。
そして【桂木神滅流】の技が大きく分けて5系統に分類されている。
それぞれ、【閃光系・波動系・斬系・体術系】の4系統に、【神装聖剣】を足した5系統になる。
なので……。
「エイレン、討伐は任せた!」
「撃つよ! 撃つよ! 撃つからね!」
――と、先ほど俺に怒られた影響からなのか何度も確認してくる。
「早く撃てよ……」
「ええ!? カズトが撃つ前にはきちんと聞けって言ったのに!」
「言ったけど……何度も言えとは言っていない」
俺の言葉にウーッとエイレンが口を窄めて不満を露わにしてくる。
二人で話しをしているとレッドドラゴンが炎の塊を俺達に向けて打ち出してくた。
炎の塊は直径3メートル程。
俺は向かってくる炎の塊を見ながら右手に日本刀を構える。
そして、【桂木神滅流:疾風雷神】を発動。
肉体の生体電流を制御し、身体能力・五感・細胞レベルを飛躍的に引き上げる。
そして日本刀を、向かってくる炎の塊に向けて振るう。
【桂木神滅流:疾風雷神】により高められている肉体は常人を肉体の限界を遥かに超えており、そこから振られた日本刀の斬撃は大気を斬り裂き、真空の刃を生み出す。
そして……ドラゴンが俺とエイレンに向けて吐きだし飛来してくる炎の残さず全て破壊していく。
「なあ、レッドドランの数増えてないか?」
「う、うん……」
俺は目の前でいつの間にか増えてるレッドドラゴンを見ながらエイレンに尋ねるとエイレンも素直に頷いてきた。
すでにレッドドラゴンの数は10匹以上……12匹も上空で旋回している。
俺は溜息をつきながら腰の鞘に日本刀を納める。
そして一番近いレッドドランに視線を向ける。
俺に見られたレッドドラゴンは、俺の殺気を感じ取って近づいてくるが。
「それは逆効果だ!【桂木神滅流:真空斬り】」
通常の【真空の刃】ではなくさらに威力を上げた【真空の刃】の一刀が上空を飛んでいたドラゴンを一撃の元に斬り裂く。
「ああっ! カズト! 私に任せるって言ったのに!」
エイレンが焦った文句を言うと口を開いたあとに白銀の閃光であるブレスを放った。
白銀の閃光は、上空を飛んでいたレッドドラゴンを全て撃墜していき、次々とレッドドラゴンは墜落すると地面に潜り込んだ。
俺はエイレンが倒したレッドドラゴンをペンダント形のアイテムボックスに収納していく。
そしてその後は17階を見ていくが荒れ地ばかりであった。
そして18階層に続く階段を見つけた頃には、17階についてからすでに1時間近くが経過していた。