Divine Costume Holy Sword Fafnir

Princess Meets Swordsman (17) Lumelia side

話が一区切りついたところで――、私は毛布が敷かれている寝床で横になる。

目を覚ましてからと言う物、久しぶりに長く話したので疲れてしまったのもあるけれど……。

「それで……、その後――、カズトさんは、どうなったんですか?」

「――そうね……。それは、いまのカズトを見れば分かるかしら?」

最後まで彼女に話すつもりはない。

カズトを助けるために――、自分の過ちを自身の手で何とかする為に、私は回復魔法を学んだということを……。

そして、回復魔法ではカズトは助けられないという事を私は理解してしまった。

――そう。

魔力の器が無いという事は、回復魔法ですらカズトにとっては毒になる。

魔術に長けた魔神族が何もできない。

その無力感に苛まれた。

だけど……、カズトを助けるためには如何なる事もした。

そして、神代文明時代の古文書を手に入れた。

神代文明時代には、魔力を持たない人間が多く存在していたことを突き止めたけど……、そこから研究は進まなかった。

それから数年経ったある日のこと。

私の元に、あの老人が姿を現した。

――彼は言った。

カズトを助ける方法があると――。

それは……。

「――元気すぎるのは分かりますけど!」

「そうね」

私は目を閉じる。

少し寝たい。

「カズト君を助ける方法があるんですか?」

唐突に、私の口が動き言葉を紡ぐ。

それに驚きながらも、私は此処が夢だという事が分かった。

「ああ。その為には君の力が必要だ」

「何故、私なんですか?」

「君の魔力で孫は心身が犯されている状態だ。その為に、君の協力が必要だ」

――そんな言い方をされて断れる訳がない。

第一、私はカズト君を助ける為に行動していたのだから。

それで、助けることが出来るなら力を貸すのは安いものだ。

「それで、どうやってカズト君を助けることが出来るんですか?」

「正確には助けるというよりも延命だ」

「延命? 助けるのではないのですか?」

「それは無理だ」

「どうしてですか?」

「孫が、この魔力が充満している世界で生きていく為には、自分の力で魔力に対抗できる細胞を作らないといけない。そのためには身体操作が、どうしても必要になるが――、孫には戦う為の才能がない」

「才能?」

私の問いかけに厳那は頷き返してくる。

アガルタの世界は騎士や戦士になる為には、戦闘用スキルを取得する必要がある。それか、もしくは魔法を習得しなければいけない。

それらが無いものは戦う才能がないと言われている。

自身の体を思い通り動かす為の才能は、戦うための職にだけ与えられた特権。

そして――、それに並ぶのは魔法職と呼ばれるもの。

どちらも人口の1%にも満たない。

「だから、私の協力が必要だという事ですか?」

「そうなる。出来れば受けてもらいたい」

「……分かりました。それで、私は何をすれば……」

「孫を助ける方法は細胞を――、この世界に存在しない減数分裂を経た個体である『本物の人間』の細胞を強化することだ」

「本物の人間?」

「そうだ。この世界の人間は、人間ではない」

厳那の目が細められる。

その目を見た瞬間、私は言い知れない恐怖という感情が沸き上がった。